法令
タイトル部分をクリックしてください。内容が表示されます。
ウミガメ類と関連する法令等
ウミガメに関する法律はいろいろと単純に行かないところがありますが、それはウミガメの生態に起因しています。以下の表は国際条約である「ワシントン条約」に対して、世界的な機関であるIUCNや国内のウミガメに関わる省庁が各種をどのようにランク分けしているかを一覧・比較したものです。
ー |
CITES IUCN |
Red List of Threatened Animals |
日本の希少な野生水生動物に関するデータブック1998(水産庁編) |
環境省RDBカテゴリ | ||||||||||||||
アカウミガメ |
付属書Ⅰ |
EN |
希少種 |
絶滅危惧IB類(EN) | ||||||||||||||
アオウミガメ |
付属書Ⅰ |
EN |
希少種 |
絶滅危惧II類(VU) | ||||||||||||||
タイマイ |
付属書Ⅰ |
CR |
希少種 |
絶滅危惧IB類(EN) | ||||||||||||||
ケンプヒメウミガメ |
付属書Ⅰ |
CR |
- |
- | ||||||||||||||
ヒメウミガメ |
付属書Ⅰ |
VU |
希少種 |
- | ||||||||||||||
ヒラタウミガメ |
付属書Ⅰ |
DD |
- |
- | ||||||||||||||
オサガメ |
付属書Ⅰ |
CR |
絶滅危惧種 |
- | ||||||||||||||
国際条約
「絶滅のおそれのある野生動植物種の国際取引に関する条約」
(CITES:通称『ワシントン条約』)
鼈甲細工の原料となるタイマイの背甲)世界的な野生生物種の絶滅や急速な減少を防ぐために、1973年にワシントンで締結された。日本は1980年に批准した。これは国際的な商取引を制限して、野生生物を保護することを目的としている。ワシントン条約の対象種は付属書1から3の3つのグループに分けられているが、日本に生息するウミガメ類は全て付属書1の掲載種である。付属書1は学術研究や動物園などでの繁殖目的以外では、国際的商取引が厳しく禁止されている。
「IUCN Red List of Threatened Animals」
(国際自然保護連合版レッドデータリスト)
国際自然保護連合(IUCN)が作成・出版している、希少あるいは絶滅の危機に頻している動植物に関する資料集。
日本に生息している5種のウミガメ類は、アカウミガメ・アオウミガメが「EN(絶滅危惧ⅠB類:下段参照)」、ヒメウミガメが「VU(絶滅危惧Ⅱ類)」にランクされている。タイマイ・オサガメに至っては「CR(危惧ⅠA類)」となっており、ジャイアントパンダの「EN」より上にランクされている。
★絶滅種【EX】Extinct
ほぼ間違いなく最後の個体まで死んでしまった種
◆野生絶滅種【EW】Extinct in the Wild
飼育、栽培または過去の分布域から大きくはずれて野生化した個体群のみが生存している種
○絶滅危機種 Threatened
CR、EN、VUをまとめていう。程度の差はあっても、すべて存続を脅かされている種
●近絶滅種(絶滅危惧ⅠA類)【CR】Critically Endangered
近い将来に高い確率で野生では絶滅に至る危機にある種。絶滅寸全種ともいう
(タイマイ・ケンプヒメウミガメ・オサガメは、これに該当)
●絶滅危惧種(絶滅危惧ⅠB類)【EN】Endangered
近絶滅種に次いで近い将来、野生で絶滅する恐れがある種
(アカウミガメ・アオウミガメは、これに該当)
●危急種(絶滅危惧Ⅱ類)【VU】Vulnerable
野生状態で中期的に絶滅する危険をはらんでいる種
△準危急種【LR】Lower Risk
絶滅危急種のどれにも該当しないと評価された種。低リスク種ともいい、3つに分けられる
▲保護依存種【cd】Conservation Dependent
継続的な保護政策の対象となっている種。保護対策を欠くと5年以内に絶滅危惧種となる可能性のある種
▲近危急種【nt】Near Threatened
保護依存種には該当しないが、危急種の基準に近い種
▲低危険種【lc】Least Concern
保護依存種にも近危急種にも該当しない種
☆情報不足種【DD】Data Deficient
絶滅の可能性を評価するには分布や個体数についての情報が不足している種
☆未評価種【NE】Not Evaluated
評価基準に基づく評価をされていない種
国内法
「絶滅のおそれのある野生動物の種の保存に関する法律」
平成4年(1992年)に施行されたこの法律は、「野生動植物が、生態系の重要な構成要素であるだけでなく、自然環境の重要な一部として人類の豊かな生活に欠かすことのできないものであることにかんがみ、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を図ることにより良好な自然環境を保全し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与すること」を目的としている(総則より)。
ここでは、すべてのウミガメ科とオサガメ科がその対象となっている。
各リンク先
各リンク先もご参照ください。
・2000 IUCN Red List of Threatened Species
・絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律
(環境省のウェブサイトに全文が掲載されています。)
・野生生物保全論研究会(JWCS)のHPにある野生生物保全に関する日本の法律Q&Aにも詳細がまとめられています。