ウミガメ用語集

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ア行

アカウミガメ Loggerhead turtle 学名 Caretta caretta

世界の大洋に広く分布するウミガメで、アメリカ東海岸、ブラジル、南アフリカ、ギリシャ・オーストラリア東岸などに主な産卵場がある。日本の本州、四国、九州、沖縄の海岸線は北太平洋唯一の産卵場である。体色は背面が褐色、腹面は淡黄色で、頭部が他のウミガメに比較すると大きい。

アオウミガメ Green turtle 学名 Chelonia mydas

世界の大洋に広く分布するウミガメで、産卵場はコスタリカ、ギアナ、アセンション島、オーストラリア、マレーシア、ハワイ等熱帯海域を中心に各地に点在している。日本では小笠原諸島、屋久島以南の南西諸島で産卵が行われている。体色は背面は黒に近い濃緑色、腹面は淡黄色である。上顎と下顎の縁辺部が、植物を食べやすいようにギザギザになっている。頭部はアカウミガメに比べて小さい。食肉として利用されるウミガメの大部分は本種である。

アサヒガメ

アオウミガメ、特に幼体*のことを一部の地方でアサヒガメと呼ぶ。アオウミガメの幼体、亜成体*の背甲*の鱗板*に放射状の模様があることが、この名の由来である。

亜成体(あせいたい) subadult

ウミガメ類の成長段階において、成体になる前の段階。厳密な定義は存在しないが、直標準甲長で40~60cmの個体を指すことが多い。→甲長

移植(いしょく) egg relocation

卵を産卵巣*から別の場所に移して埋めること。

ウミガメ排除装置(-はいじょそうち) turtle excluder devices(TED)

アメリカ合衆国で考案されたトロール網へのウミガメの混獲*を防ぐ装置。

鱗(うろこ) scale

体表を被う多少とも固い薄片を指す語。脊椎動物の皮膚は表皮と真皮からなり、魚類の鱗は真皮から分化するが、爬虫類の鱗は表皮の部分が角質化*して鱗状になったものである。この角質化は脊椎動物が陸上生活に移行するのに伴った変化で、体内の水分の蒸発の防止や、身を守る意義がある。カメの甲*や頭部にある大きな鱗を、便宜上、鱗板(scute)*と呼ぶこともある。

縁甲板(えんこうばん) marginal

背甲の縁辺部に連なる鱗板*。

塩類腺(えんるいせん) salt gland

海に生息する爬虫類、鳥類が体内の浸透圧*を調節するために持つ塩化ナトリウムNaClの排出器官。ウミガメでは眼に開口する涙腺が塩類腺に変化している。ちなみに、ウミヘビや海鳥では鼻に開口している。 

オサガメ Leatherback turtle 学名 Dermochelys coriacea

世界の大洋に分布する。産卵場はマレーシア、ニューギニア、スリナムなど熱帯海域が中心になるが、回遊によって、最も高緯度にまで出現する種である。他のウミガメ類はウミガメ科に属するが、本種は1種で独立した科(オサガメ科)を形成する。大きな鱗板*で被われた強固な背甲*をもたず、その独特の形態から、他種と区別するのは容易である。

温度依存性決定(おんどいぞんせいけってい) tempereture-dependent sex determination(TSD)

カメやワニに見られる、孵卵温度*により孵化幼体*の性が決定される現象。 

カ行

回帰(かいき) remigration

動物が特定の住み場所や繁殖場所から遠く離れても、それらの位置を知って戻ってくること。ウミガメの場合、複数の産卵シーズンにわたって、雌が同じ海岸に産卵するために回遊してくることに対して使うことが多い。これまで、生まれた砂浜に産卵に戻る性質(母浜回帰*)に対しても回帰という用語を用いることが多かったが、区別して使うのが望ましい。→母浜回帰説 

回帰間隔(かいきかんかく) remigration interval

同一個体が回帰*する間隔。普通は年単位で表す。

海草(かいそう) sea glass

アマモ、ウミヒルモ、ウミショウブなどの海に生えている顕花植物で、藻類である海藻*と区別される。 

海藻(かいそう) sea algae

アオサ、ミル、ホンダワラなどの海に生えている藻類で、顕花植物である海草*と区別される。 

角質化(かくしつか) cornification

脊椎動物において皮膚の表皮の細胞にケラチンが沈着すること。ケラチンは硬いタンパク質で、鱗*を形成する。爬虫類では角質化した細胞は死滅している。 

眼後板(がんこうばん) postocular

眼の後方にある鱗板*。

亀卜(きぼく)

ウミガメの背甲*の鱗板*を焼いて、その割れ方で吉凶を占うこと。中国では紀元前1450年ころから始まり、5世紀頃に日本に伝わったとされている。 

クラッチ clutch

1回の上陸で産卵された卵塊。

クロウミガメ Black turtle 学名 Chelonia mydas agassizii または Chelonia agassizii

東太平洋に生息するアオウミガメ属のウミガメ。腹部や頭部の鱗板*の縁辺部が、アオウミガメは黄色であるのに対し、クロウミガメは黒いことで区別される。しかし、分類学的にはアオウミガメの亜種Chelonia mydas agassiziiとする意見と、独立種Chelonia agassiziiとする意見がある。 

ケンプヒメウミガメ Kemp's ridley turtle 学名 Lepidochelys kempii

大西洋、特にカリブ海に分布し、メキシコの大西洋岸に産卵場がある。色彩、形態はヒメウミガメに似るが、本種の背甲*は、より丸味を帯びている。 

甲(こう) carapace

背甲*および腹甲*よりなるカメ類特有の装甲。脊椎動物にはみなある内骨格(脊椎骨、肋骨)、カメ類特有の皮骨*、およびそれを包む角質化*した皮膚、すなわち鱗板*よりなる。 

項甲板(こうこうばん) nuchal

背甲*の先端で左右の縁甲板*をつなぐ鱗板*。

甲長(こうちょう) carapace length

背甲*の長さ。ウミガメの大きさを表す測定値としては最も一般的であるが、その計り方によって直標準甲長、曲標準甲長、直最小甲長、曲最小甲長等がある。日本では、直標準甲長、直最小甲長で測定することで合意している。 

甲幅(こうふく) carapace width

背甲*の幅。直甲幅、曲甲幅があるが、日本では背甲の最大幅の直線距離であらわすことで合意している。 

甲羅(こうら)

→甲 

子ガメ(こ-) hatchling; juvenile

ウミガメ類の若令個体の一般的呼称。ただし、自然の海で生活する子ガメをみることは少なく、孵化*または脱出*直後の幼体*を指すことが多い。その意味では孵化幼体*の語を用いるのが望ましい。英語では、孵化直後で腹部に卵黄が吸収されたことを示す痕跡(俗に"へその緒")が認められる個体を孵化幼体(hatchling)、卵黄が吸収されて亜成体*になるまでの個体を幼体(juvenile)と表すことが多いが、それらの厳密な定義は存在していない。 

国際自然保護連合(こくさいしぜんほごれんごう) International Union for Conservation of Nature and Natural Resources

1948年に設立された、自然保護、野生生物保護の分野で広範な活動をしている国際機関。>LinkIconホームページ参照

混獲(こんかく) incidental capture

漁業において、漁獲対象がウミガメ類以外であっても、ウミガメが漁獲されることがある。この現象を混獲といい、定置網、底引き網、刺し網など、多くの漁法で起こっており、ウミガメ類の個体数減少の要因の1つとされている。 

サ行

産卵間隔(さんらんかんかく) internesting interval

同一産卵シーズンにおいて、同一個体が産卵する間隔。普通は日単位で表す。

産卵巣(さんらんそう) nest

雌が砂浜に産卵の為に後脚で掘った円筒状の穴。通常は穴とそこにある卵塊を指す。 

産卵巣数(さんらんそうすう) number of nests

産卵の行われた巣の数。ウミガメ類の繁殖を評価する際に、これまで産卵頭数*、あるいは延べ産卵頭数*という用語が使用されることが多い。しかし、産卵巣を数えている、ないしはその数字を含んでいるのであれば、産卵巣数で表記した方がよい。

産卵数(さんらんすう) clutch size

1クラッチ*の卵数。 

産卵頭数(さんらんとうすう) number of nesting females

産卵した雌の個体数。一般に、ある砂浜に1産卵シーズンに産卵した個体数を表す用語としてよく用いられていたが、ウミガメは1シーズンに複数回産卵するので、正確な産卵頭数は標識*等で個体識別された場合にのみ明らかになる値である。延べ産卵頭数*、産卵巣数*と使い分ける必要がある。

潮目(しおめ) front

異なる海流、水塊の間にできる海面の帯状のすじ。流れ藻やゴミ、プランクトンが集まる。 

重金属(じゅうきんぞく) heavy metal

水銀、カドニウムなど比重が4以上の金属の総称。 

正覚坊(しょうがくぼう)

アオウミガメ*の別称。大酒飲みの事。

上陸(じょうりく) emergence

ウミガメが海から砂浜に上陸すること。上陸には、産卵をするものと、上陸しただけで産卵せずに海にもどるものが含まれる。 

上陸跡(じょうりくあと) track

海岸の砂の表面に残されたウミガメが移動した跡。

上陸頭数(じょうりくとうすう) number of emerging females

上陸*をしたウミガメの個体数。延べ上陸頭数*や上陸跡*数との使い分けに注意を要する。

人工孵化(じんこうふか) artificial incubation

卵を孵卵器や孵化箱など人為的にコントロールされた環境のもとで孵化*させること。屋外の孵化場*に移植*して孵化させた場合は、温度などの環境が調節された訳でないので、この語を用いるのは適切でない。 

浸透圧(しんとうあつ) osmotic pressure

半透膜を隔てて濃度差のある水溶液をおいた場合、水分が濃度の低い方から高い方へ移動する。この圧力を浸透圧という。浸透圧は濃度に比例する。ウミガメでは、周囲の海水の浸透圧が体内より高く、水分が体外に出る。それを補うために海水を摂取するが、多量の塩分も体内に入る。その余分な塩分を排出するため塩類腺*がある。

スメリング sand-smelling; sand-nuzzling

雌が産卵に上陸する時、頭部の先端を砂の中にさし込むような行動を見せることがある。これをsand-smellingまたはsand-nuzzlingと呼んでいる。この行動は、母浜回帰*と関連させて、産卵場を決定するための臭い嗅ぎ行動とする説があるが、全く根拠のない説である。産卵する場所を選択決定する要因の一つに砂の温度があり、その認識とこの行動の関連を指摘する説もある。

成熟(せいじゅく) maturation

正確には性的成熟。個体が繁殖可能な状態になることを言う。ウミガメ類の場合、雌の産卵、雄の交尾が確認されたら、明らかに性的成熟に達したと言えるが、それ以外の場合、大きさや形態からそれを特定するのは難しい。

生態系(せいたいけい) ecosysitem

あるまとまった地域において、そこに生活するすべての生物と、その生活空間を満たす土、水、大気などの無機的環境を合わせたもの。 

前額板(ぜんがくばん) prefrontal

頭部背面の前方にある鱗板*。種の同定形質として使われることもある。 

走光性(そうこうせい) phototaxis

光を刺激源にしてそれに対して個体が移動すること。光に近づくことを正の走光性、逆に遠ざかることを負の走光性という。 

総排出腔(そうはいしゅつこう) cloaca

消化管の終末部の腔部で、尿が通る輸尿管や卵や精子が通る生殖輸管も開口している。軟骨魚類、両生類、爬虫類、鳥類で見られる。 

タ行

タイマイ Hawksbill turtle 学名 Eretmochelys imbricata

世界の熱帯海域に広く分布するウミガメで、産卵場はカリブ海、ミクロネシア、ポリネシア、インド洋などの珊瑚礁の発達した海域の島嶼に広く点在する。日本では沖縄島以南の南西諸島で産卵するが、その数は少ない。体色は、背面が黄色の地に黒褐色のモザイク模様、腹面は黄色である。背甲*の鱗板*は成長に応じて瓦のように重なり、縁辺部も尖る。この種の鱗板は鼈甲*と呼ばれる。 

大嘗祭(だいじょうさい)

天皇の皇位継承の儀式。新天皇が新穀を神々に供え、共に食べて加護を祈る。その新穀を得る田を決定するのに亀卜*が行われた。 

脱出(だっしゅつ) emergence

子ガメが砂から出て来ること。→孵化 

脱出成功率(だっしゅつせいこうりつ)

→脱出率

脱出日数(だっしゅつにっすう) incubation period

産卵から孵化幼体*が砂から出るまでの日数。これに対して、産卵から孵化までの日数は孵化日数*という。これまで脱出日数を意味する語として孵化日数*が使用されたことも多かったが、孵化*と脱出*を区別するなら、incubation periodsは脱出日数とすべきであろう。

脱出率(だっしゅつりつ) emerging success; percentage of eggs resulting in emerged hatchlings

1クラッチ*の卵の中で、砂から子ガメ*が脱出*するに至った卵の割合。これまで日本語では、この意の語として孵化率*が使用されたこともある。しかし、孵化率は卵殻から出るのに成功した卵の割合を意味し、脱出率とは区別するのが望ましい。また、この意の語は、emergence successを和訳して、脱出成功率との日本語があてられていたこともある。しかし、hatching successに対応する日本語としては、孵化成功率ではなく、孵化率が広く用いられていることから、これに合わせて、emergence successは脱出率とするべきである。孵化後の巣に残された未孵化卵や卵殻の調査から求められた値は、孵化率に相当する。

稚ガメ(ち-)

→孵化幼体 

椎甲板(ついこうばん) vertebral

背甲*の中央に一列にならぶ鱗板*。ウミガメ科では5枚が普通であるが(変異もある)、ヒメウミガメ属の2種ではそれより多くなることが多い。

転卵(てんらん) egg rotation

卵を垂直方向に回転させること。転卵の時期によっては、発生に影響を与える。 

盗掘(とうくつ)

→盗卵 

盗卵(とうらん) egg poaching

人によって産卵巣*から卵が持ち去られること。 

ナ行

延べ産卵頭数(のべさんらんとうすう)

1産卵シーズンに産卵した雌の延べ個体数。すべての産卵を記録したとすると、この値は産卵巣数*に一致する。産卵頭数*と区別することが必要である。 

延べ上陸頭数(のべじょうりくとうすう) number of emergences

通常は1産卵シーズンにおける上陸回数。砂浜に残された上陸跡*を計数したものがこれに相当する。 

ハ行

胚(はい) embryo

多細胞生物の発生初期の個体。ウミガメでは卵殻の中で卵割を初めて孵化*するまでの間の個体を一般に胚と呼ぶ。 

背甲(はいこう) carapace

カメ類の背側の甲*。肋骨、脊椎骨、そして爬虫類のなかでもカメ類特有の皮骨*からなる。これらの骨はたがいに結合し、胴部を包んでいる。ウミガメの場合は一般のカメと比較すると、この装甲は不完全であり、肋骨の先端部では隙間があいている。これらの骨の上は皮膚が角質化*した鱗板*で被われて、さらに強固になっている。 

胚膜(はいまく) embryolemma; embryonic membrane

陸上で生活する脊椎動物の胚*に付随する膜で、胚の保護、栄養、呼吸、排出の役割を持つ。羊膜、しょう膜、尿膜がある。 

皮骨(ひこつ) dermal bone

皮膚の真皮内に直接できる結合組織由来の骨。これに対し、置換骨(replace bone)は発生過程において一度軟骨が形成されそれが化骨したものである。カメの背甲*は脊椎骨、肋骨を皮骨が結合した状態になっており、これで強固な装甲を形成している。 

ピップ pip; pipping

卵殻の中にいた胚が卵殻の一部を破ること。この後、子ガメが体全体を、破れた卵殻の外に出すことを孵化*という。

ヒメウミガメ Olive ridley turtle 学名 Lepidochelys olivacea

世界の大洋に熱帯海域を中心に分布する。産卵は、コスタリカの太平洋岸やインド洋などでは、集団で昼間行われることがあり、そのような集団産卵をアリバダと呼ぶ。体色は背面はオリーブ色、腹面は淡黄色で、他のウミガメ類より小さい。 

標識(ひょうしき) tag

個体を識別するために、ウミガメに装着する識別票。様々な材質、形のものがある。 

漂着(ひょうちゃく) stranding

ウミガメの場合、その死体または弱って遊泳力を失った個体が海岸に流れ着くことをいう。 

ヒラタウミガメ Flatback turtle 学名 Natator depressus

オーストラリア北部の海域に分布し、産卵場もその沿岸に限られている。
1980年代までアオウミガメ属の1種としてChelonia depressaの学名が与えられていたが、最近、頭骨の形態等に基づき現在の学名に変更された。それに伴い、和名もヒラタアオウミガメからヒラタウミガメと呼ぶようになった。形態は、背甲*の縁辺部が湾曲し陣傘のようになっている。 

フィブロパピロマ fibropapilloma

1980年代になって世界中のウミガメ、特にアオウミガメ*で多く見られるようになった疾病。四肢や頭部の付け根の皮膚に腫瘍ができる。ウィルスの感染が原因と考えられているが、まだ、ウィルスの分類、特定は行われていない。 

孵化(ふか) hatching

胚膜*の中で発生していた胚*が、外界に出て自由生活に移ることをいう。ウミガメの場合、砂中で子ガメが卵殻を破って卵外に出ることを孵化、また、砂表から出てきたときを脱出*とすべきであろうが、これまで混同されて使われていたことが多い。→脱出 

孵化場(ふかじょう) hatchery

卵を移植*し、捕食者*などの害を防ぐためにある程度管理しながら孵化*を行う場所。砂浜に簡単な囲いをしたものから、屋根のついたものまである。 

孵化日数(ふかにっすう) incubation period

産卵から孵化までの日数で、脱出日数とは区別するべきである。しかし、海外では、孵化日数と脱出日数*を同一のものとみなしているため、同じ語incubation periodが用いられている。→脱出日数 

孵化幼体(ふかようたい) hatchling

孵化*直後から、腹部にある卵黄や胚膜*の痕跡が消失するまでの間の個体を指す語。従って、孵化後、数週間の問の個体はこの呼称を用いる。→子ガメ 

孵化率(ふかりつ) hatching success; percentage of eggs resulting in hatchings

→脱出率 

孵卵温度(ふらんおんど) incubation temperature

胚*発生時の卵の環境温度。 

フレンジー frenzy

ウミガメの孵化幼体*が砂から脱出*した直後に一定時間起こる非常に活発に前脚を動かす運動。この問に、砂表を移動し海に入り、沖含いに分散していく。 

腹甲(ふっこう) plastron

カメ類の腹側の甲*。ウミガメ科の場合、それぞれ1対の前骨板、胸骨板、腹骨板、後骨板および1つの内骨板の皮骨*、さらにそれを被う角質化*した皮膚よりなっている。 

鼈甲(べっこう) tortoise shell

タイマイの甲羅*の鱗板*。装飾品に加工される。また、タイマイの個体をベッコウ、またはベッコウガメと呼ぶこともある。 

ヘッドスターテイング head starting

孵化*した子ガメ*をある期間飼育してから放流すること。ある程度大きく育ててから放流することによって、初期の減耗をできるだけ小さくし、ウミガメの個体数を増やそうとする考え方に基づいて行われる。しかし、その効果は明らかになっておらず、かえって逆効果になっているという意見もある。 

捕食者(ほしょくしゃ) predator

その生物を食べる生物を意味する生態学用語。 

ボディー・ピット body pit

雌が産卵巣*を掘る前に、前脚を使って作る比較的広く浅いくぽみ。雌はその中に定位し、産卵する。タイマイやアカウミガメよりもアオウミガメのボディー・ピットの方が大きい。 

母浜回帰(ぼひんかいき) homing; natal-beach homing

→母浜回帰仮説 

母浜回帰仮説(ぼひんかいきかせつ) homing hypothesis

雌のウミガメは生まれた砂浜に戻って産卵するとする仮説。

マ行

ミトコンドリアDNA(-ディーエヌエー) mitochondorial DNA(mtDNA)

細胞内の小器官であるミトコンドリアのDNA。核のDNAと異なり、母方からのみ遺伝し、交配によって遺伝子の交流が起こらないので、系統を解析するのによく使われる。 

ヤ行

有機塩素化合物(ゆうきえんそかごうぶつ) organo chlorine compound

分子構造の中に塩素原子を持つ有機化合物。PCBや農薬のDDT,BHCなどもこれに含まれる。生物体内、特に海洋哺乳類の体内での分解がされにくく、蓄積されることが知られており、生殖や免疫に対する毒性が指摘されている。 

幼体(ようたい) juvenile

孵化幼体*から亜成体*までの個体。→子ガメ 

ラ行

卵角(らんかく) caruncle

→卵歯 

卵歯(らんし) egg tooth

幼体*が卵殻を破って外に出るのに使用する吻端の突起。これには、上顎の骨に関係した骨からできているものと、吻端の表皮の角質層からできたものの、2タイプあることが知られている。前者はトカゲ、ヘビに見られ、カメ類は後者である。呼称も前者を卵歯(egg tooth)、後者を卵角*(caruncle)とするべきであろう。 

卵室(らんしつ) egg chamber; egg cavity

産卵巣*のうち卵塊がある空所。 

臨界温度(りんかいおんど) pivotal temperature

温度依存性決定(TSD)*において、雄と雌の性比が1:1になるような孵化温度*。 

鱗板(りんばん) scute

表皮を被う鱗*の中で、カメの甲*や頭部にあるような比較的大きなものを指す。 

レッドデータブック Red Data Book

国際自然保護連合(IUCN)*が作成、出版している、希少、あるいは絶滅の危機に頻している動植物に関する資料集。最新は2000年度版。ただし、最近では各国が独自の「レッドデータブック」を作成している。>LinkIconホームページ参照

肋甲板(ろっこうばん) pleural(costal)

背甲*の主要な鱗板*で、椎甲板*の両側にある。種の同定形質に使われることもある。 

ワ行

ワシントン条約(-じょうやく) Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora

「絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」の通称。1973年にワシントンで締結会議が行われ、加盟国は約100ヶ国。絶滅の危険度に応じて制限が設けられ、ウミガメ類のすべての種は、最もその危険が高いとされるグループ(附属書1)に含まれている。

A

artificial incubation 人工孵化

B

Black turtle クロウミガメ
body pit ボディー・ピット

C

carapace 背甲
carapace 甲羅
carapace length 甲長
carapace width 甲幅
Caretta caretta アカウミガメ
caruncle 卵角
Chelonia agassizii クロウミガメ
Chelonia depressa ヒラタウミガメ※1980年代までの学名
Chelonia mydas アオウミガメ
Chelonia mydas agassizii クロウミガメ
cloaca 総排出腔
clutch クラッチ
clutch size 産卵数
cornification 角質化
costal 肋甲板

D

dermal bone 皮骨
Dermochelys coriacea オサガメ

E

ecosystem 生態系
egg chamber 卵室
egg poaching 盗卵
egg relocation 移植
egg tooth 卵歯
embryo 胚
embryolemma 胚膜
emergence 上陸
emergence 脱出
emerging success 脱出成功率

E

Eretomochelys imbricata タイマイ

F

fibropapilloma フィブロパピロマ
Flatback turtle ヒラタウミガメ
frenzy フレンジー
front 潮目

G

Green turtle アオウミガメ

H

hatchery 孵化場
hatching 孵化
hatching success 孵化率
hatchling 孵化幼体
Hawksbill turtle タイマイ
head starting ヘッドスターティング
heavy metal 重金属
homing 母浜回帰
homing hypothesis 母浜回帰仮説

I

incidental capture 混獲
incubation periods 脱出日数
incubation temperature 孵卵温度
International Union for Conservation of Nature and Natural Resources 国際自然保護連合
internesting interval 産卵間隔
IUCN 国際自然保護連合

J

juvenile 幼体

K

Kemp's ridley turtle ケンプヒメウミガメ

L

Leatherback turtle オサガメ
Lepidochelys kempii ケンプヒメウミガメ
Lepidochelys olivacea ヒメウミガメ
Loggerhead turtle アカウミガメ

M

marginal 縁甲板
maturation 成熟
mitochondorial DNA ミトコンドリアDNA
mtDNA ミトコンドリアDNA

N

Natator depressus ヒラタウミガメ
nest 産卵巣
nuchal 項甲板
number of emerging females 上陸頭数
number of emergences 延べ上陸頭数


number of nesting females 産卵頭数
number of nests 産卵巣数

O

Olive ridley turtle ヒメウミガメ
organo chlorine compound 有機塩素化合物
osmotic pressure 浸透圧

P

phototaxis 走光性
pivotal temperature 臨界温度
plastron 腹甲
pleural 肋甲板
postocular 後眼板
predator 捕食者
prefrontal 前額板

R

Red Data Book レッドデータブック
remigration 回帰
remigration interval 回帰間隔
replace bone 置換骨

S

salt gland 塩類腺
sand-nuzzling スメリング
sand-smelling スメリング
scale 鱗
scute 鱗板
sea algae 海藻
sea glass 海草
stranding 漂着
subadult 亜成体

T

tag 標識
TED ウミガメ排除装置
temperature-dependent sex determination 温度依存性決定
tortoise shell 鼈甲
track 上陸跡
TSD 温度依存性決定
turtle excluder device ウミガメ排除装置

V

vertebral 椎甲板