日本ウミガメ協議会

-Sea Turtle Association of Japan-

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更新日 2017-05-26 | 作成日 2009-04-02

ウミガメQ&A

   これまでに事務局に寄せられた質問の中から、代表的なものをあげてみました。
   下記の各質問をクリックすると答えが表示されます。

Q1.なぜ、ウミガメは産卵するときに涙を流すのでしょうか?

A:「悲しいから」ではありません。

ウミガメは海での生活に適応するため、様々な機能をもっています。目の横にある体内の塩分濃度を調節する器官もその一つです。これを塩類腺(えんるいせん)と言います。ここからは濾(こ)された塩水が粘液として常に排出されていますので、産卵のため上陸した際、これが涙のように見えます。また、この機能は上陸した際、眼球が乾燥するのを防ぐ役割もあります。ですからウミガメが涙するのは、苦しいとか、辛い、ましては悲しいという訳ではなく、生きてゆくための大切な機能の一つなのです。

Q2.ウミガメの寿命はどれくらいなのでしょうか?

A:よく分かっていないのが現状です。

「鶴は千年、亀は万年」と言い、昔から長寿の代名詞のように言われているカメですが、ウミガメの寿命はまだはっきりとはわかっていません。国内外を問わず様々な研究がなされていますが、例えば木の年輪のように、はっきりとした年齢を特定できる部分が少ないため、調べるのが困難なのです。研究例としては、アオウミガメで甲長が60cmから90cmになるのに23年かかった例(オーストラリア)や、甲長が30cmから75cmになるのに17年かかった例(バハマ)があります。また甲長が70cmを越えて性成熟するのに30年以上かかると試算された例や、その後の追跡調査から10年後に産卵にやってきた例などを考えると、成熟した後もかなり長生きするようです。しかし、ウミガメ全てがそういった長寿を全うできるかは別の問題で、おそらく漁業による混獲(間違って取れてしまう事)等によって、多くのウミガメが天寿を全うできずに死んでいるのが現状だと思われます。

Q3.ウミガメは年をとると甲羅に海草が生えるんですか?

A:甲羅に海藻の付いたウミガメはいます。

しかしそれは年には関係ありません。また海藻が付くカメもいれば、付かないカメもいます。昔からなじみのある陸生のカメ(イシガメやヌマガメ)の甲羅にも、まれに藻などが付いている個体がいます。長い年月をかけてそれが伸びて蓑のように見える場合もあり、これを縁起の良い物として珍重しますが、残念ながらウミガメの場合は、そこまでにはならないようです。しかし、そうしたカメに対しての思いがあると、海からやってくるウミガメにはより一層の神秘性や縁起を感じた事でしょう。その結果、絵本のような表現になったのではないかと思われます。

Q4.ウミガメを飼いたいのですが、可能でしょうか??

A:残念ですが無理です。

ウミガメ類は、多くの国際法・国内法の保護下にあり、基本的に学術目的の場合を除き、一般の方による所有・飼育は許可されていません。また商業目的に関しても、小笠原や沖縄などで行われている一部漁業従事者によるもの以外、捕獲・売買は禁止されています。もしそのような許可がない所で売買されていたとしたら、それは違法です。

Q5.砂浜の灯りは有害なの?

A:有害です。

アメリカの研究で灯りのあるところへの産卵は明らかに減少することが知られています。また、生まれた子ガメが光に誘引されて、道路に出てくることもあります。しかし、防犯上等の理由でどうしても灯火が必要な場合もあります。その具体的な対処方法をご紹介します。

(1)灯火の種類を変える。
すべての動物は感受できる光の波長が決まっています。人間には見えて、ウミガメに見えにくい光の出る光源を使えばいいのです。ウミガメは赤色の光をあまり見ることができないようです。低圧ナトリウム灯(橙黄色)などを使用し、さらにできるだけ光量を下げれば、ウミガメに対する害は減少するといわれています。

(2)灯火を制限する。
灯火がウミガメの行動に影響を与えるのは産卵期とふ化期です。その時期のみ灯火を制限することは非常に効果のある対策だと考えられます。終夜消灯するのが無理でも12時以降に消灯したりすることによって、効果は期待できます。

(3)灯火が洩れない工夫をする
光が砂浜に漏れないようにする工夫はいくつも考えられます。樹木帯によって遮ったり、光源にカバーを付けるのも有効です。

Q6.海岸のゴミは無い方がいいの?

A:ウミガメの行動が妨げられることもあります。

確かに大きなゴミに親ガメやふ化した子ガメの行動妨げられることがあります。しかし、それを片付けるためにブルドーザーなどを浜に入れ、砂浜を踏み固めるようなことは避けて下さい。砂が締まると親ガメが産卵するときに掘りにくくなってしまいますし、卵が埋まっていれば子ガメが砂中から脱出しにくくなります。

Q7.海岸の植物は取り去った方がいいの?

A:そんなことはありません。

ウミガメが産卵するところには海浜植物が生えている所が多くあります。それで穴が掘れずに海に帰るウミガメを見ると、それを除去したくなる気持ちもわかります。しかし、この植物がしっかり根を下ろして砂を守り、さらに葉は砂が飛び散るのを防いでいるとも考えられるのです。
また、海浜の植物は砂がどの程度安定しているかを知るバロメーターにもなります。植物があるから、そこにはある程度砂が安定し、それは一夏の間、卵が順調に育つという保証にもなるわけです。

Q8.ウミガメは間違えて食べたゴミが原因で死んでいるの?

A:それは極々一部の例です。

確かにウミガメが買い物袋や飲料水のキャップなどのプラスチック(*1)ゴミを食べて、それが体内に溜まりエサを取れずに死んでしまうこともあるようです。また、種によっては(クラゲばかりを食べるオサガメのように)食べてない個体を探すのが困難な場合もあります。しかし、余程のことがないかぎり、体内で消化できないこれらのゴミは、糞と一緒に体の外に出てしまうようです。
*1 一般にビニール袋と言われているもののほとんどは、プラスチック製品です。

Q9.ウミガメは減っているんですか?ウミガメはなぜ減ってきているのですか?

A:減っています。はっきりとした原因はまだわかっていません。

実際のウミガメの数はわかりませんが、砂浜での産卵の回数を数えることでウミガメの数の増減を推測できます。長年の調査の結果、日本では1990年から2000年の間に産卵が60%も減ったことがわかり、そのことからこの10年でウミガメの数が半分以下になっていると思われます。これはウミガメの生活に大きな危機が迫っているからだと考えられます。具体的な原因として、砂浜の環境が変化してウミガメが産卵できなくなってしまったり、網や釣り針にかかって死んでしまうなどがあげられます。このようないろいろなことが影響して、減ってきていると考えられます。継続した調査により少しずつ明らかになっていくと思います。

Q10.どうして、子ガメは海の方向がわかるのですか?

A:明るさを目印にしています。

子ガメには光の方向へ向かう性質があります。真っ暗な海岸では、陸側に比べて海が明るく見えるので、これを目印に海へ向かって行きます。ですから砂浜の陸側が外灯などで照らされると、海へ辿り着けないこともあります。

Q11.わたしたちがウミガメのためにできることは何ですか?

A:ウミガメをはじめ、環境について勉強し、事実を知り、ウミガメにとって本当にいいことは何かを考えること、知ることです。

たとえば、子ガメの放流会はウミガメにとってかならずしもいいことではありません。なぜなら、ウミガメの自然の状態とかけ離れてしまうからです。本来、子ガメは卵からふ化すると、砂浜から海へ向かいます。このとき、体の中の磁石の向きをセットしていることが、最近の研究でわかってきました。つまり、人が卵を安全なところへ移動し、あたためてふ化させ、手で海に放流するとその磁石がセットできない、正しい方向感覚をもてないのではないかというのです。これが本当だとすると、人の手で子ガメを放流することはウミガメにとって迷惑なのかもしれません。このようにウミガメにとって本当にいいことは何か、減少している原因を科学的に長い時間をかけて調べることが必要です。

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Q.今年地元の海岸では、昼間の上陸が3回(内1回は産卵)見られています。また昼間上陸は、50mほど大きく引いた干潮に上陸しました。大潮の干潮、昼間の上陸はよくあることですか?

A:昼間の産卵は全国各地で稀ですが見られています。ただ、3回も連続で上がるのは稀ですね。潮位と産卵の関係ですが、日本に関しては干潮、満潮に関しては関係ないと言われています。ただ沖縄などリーフの発達した所では、干潮時にリーフが壁になってしまうため、上陸しにくくなることは考えられます。また海外では、砂浜の傾斜が緩やかで干満で極端に歩く距離に差が出てしまう所だと、上陸時間に差があるという報告も見られます。

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