日本ウミガメ協議会とは
当会は1990年に日本各地でウミガメの調査に関わる人によって設立されました。目的は各地で調査を行う人たちのネットワークを作り、情報交換を円滑に行うための媒体になることでした。これまで調査をされてきた多くの方々との協働によって、ようやく日本のウミガメの生態や彼らが置かれている現状が明らかになってきました。例えば、日本におけるウミガメの産卵場所や産卵回数、砂浜に漂着する種や個体数、アカウミガメにおいて産卵のための上陸回数が1950年以降減り続けてきたこと、さらには多くのウミガメが漁業者の網にかかり命を落としてしまっていることなどです。
今後は今までに明らかにされていない謎を解き明かすためのデータを蓄積していくとともに、このようにして積み重ねられてきた貴重なデータを基に、効果的なウミガメの保全を考えていきたいと思っています。また、ウミガメだけでなく、それらの生息域である海、砂浜といった自然環境やそこに生息している動植物、さらにはウミガメと接する人々の暮らしや文化まで、ウミガメを取り巻く生態系全体を一緒に保全できるような方法を模索しています。
団体情報 | 特定非営利活動法人日本ウミガメ協議会(Sea Turtle Association of Japan) |
所在地 | 〒573-0163 大阪府枚方市長尾元町5-17-18 マルタビル302号室 |
電話番号 | 072-864-0335 |
FAX番号 | 072-864-0535 |
代表者 | (会長) 松沢 慶将 |
役員構成 | 理事16名(うち会長1名 副会長1名)、監事2名 |
会員数 | 443名( うち団体 29団体 : 2020年3月現在 ) |
URL | http://www.umigame.org/ |
メールアドレス | info@umigame.org |
世界中の海洋に広く分布するウミガメ類の生息数は、環境の悪化にともない近年著しく減少していると言われ、各国で保護のための研究や活動が行われている。日本の海岸線は、北太平洋で最も重要なウミガメ類の繁殖場の一つであり、本州南部の太平洋岸から南西諸島にかけて、多くの産卵場がある。それらの地域では、様々な個人や団体がその研究や保護活動を行っている。しかし、それらの活動はすべて各々独自に進められており、より効果的なウミガメ類の研究や保護を考えた場合に、様々な問題があるのが現状である。例えば、各地で産卵したメスへの標識装着が行われ、回遊移動経路を解明しようとする試みがあるが、標識番号に一貫性がないため再捕個体が検索されにくい状況が現に生じている。また、産卵に関する調査方法も統一されていないため、各地のデ-タを総合してまとめる際にも障害がある。いずれにせよ、近年の自然海浜の環境破壊はすさまじく、その効果的な保全を提言し実行に移していくことは、21世紀の人類の躍動感溢れる生活を実現していくには不可欠だと考えられる。
本会設立の最大の目的は、各地の個人、団体の間の情報交換を円滑に行うための媒体になり、かつ有効な情報や調査方法に関する知識を提供する事にある。そして、これまでは各地域レベルで考えられていたウミガメ類の保護や研究を、日本全体に視野を広げて考えていく場を提供したい。それにより、日本のウミガメ類やその環境に関する正確な知見が蓄積され、地球環境問題の中の一つと位置付けされているウミガメ類の絶滅の危機に対し、効果的な保護対策が提示できるであろう。こうして得られた成果を有効に社会に還元し、ウミガメ類やかれらが繁殖や生活に利用する海浜および海洋の保護・保全に寄与していきたい。
第1章 総則
(名 称)
第1条 この法人は、特定非営利活動法人日本ウミガメ協議会という。
(事務所)
第2条 この法人は、主たる事務所を大阪府枚方市長尾元町5丁目17番18号に、従たる事務所を沖縄県八重山郡竹富町黒島136番地に置く。
(目 的)
第3条 この法人は、ウミガメ類を取り巻く自然環境の保全というテーマに関して、ウミガメ類の保護や研究活動を行っている民間団体及び個人、または関連機関などと相互の連絡を図りながら、ウミガメ類の研究及び保護活動を育成・発展させることを目的とする。
(活動の種類)
第4条 この法人は、前条の目的を達成するため、特定非営利活動促進法第2条別表5号(環境の保全を図る活動)及び12号(1-11の活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動)を行う。
(事業の種類)
第5条 この法人は、特定非営利活動に関わる次の事業を行う。
① ウミガメ類を取り巻く自然環境の保全に関わる事業
② ウミガメ類の研究・保護活動の発展および育成に関する事業
③ 日本ウミガメ会議の開催に関する事業
④ 会員および関係団体等との相互連絡と情報の収集及び提供に関する事業
⑤ 情報誌の作成に関する事業
⑥ 水族館や博物館等社会教育施設の運営に関する事業
⑦ 前各号に掲げるものの他第3条の目的を達成するために必要な事務および実務に関する事業
第2章 会員
(種 別)
第6条 この法人の会員は次の2種とし、正会員をもって特定非営利活動促進法上の社員とする。
① 正会員 この法人の目的に賛同して入会した個人
② 賛助会員 この法人の事業を賛助するために入会した個人又は団体
(入 会)
第7条 正会員又は賛助会員として入会しようとするものは、入会申込書を会長に提出し、会長の承認を得なければならない。会長は正会員の申し込みについては、正当な理由がない限り入会を認めるものとするが、認めない場合は理由を付した書面をもって本人にその旨を通知しなければならない。
(会 費)
第8条 会員は、総会において別に定める会費を納入しなければならない。
(退 会)
第9条 会員は退会届を会長に提出し、任意に退会することができる。
2 本人が死亡し、又は会員である団体が解散、消滅したときは、退会したものとみなす。
3 会費を2年以上納入しないときは、退会したものとみなす。ただしその会員には事前に、2年間未納であること、また退会のおそれのあることを通知する。
(除 名)
第10条 会員がこの法人の名誉を棄損し、またはその設立の趣旨に反する行為をしたときは、理事会において総役員の4分の3以上の議決により、これを除名することができる。
(拠出金品の不返還)
第11条 会員が既に納入した会費その他の拠出金品はその理由を問わず、これを返還しない。
第3章 役員
(役員の種類)
第12条 この法人に次の役員を置く。
① 理 事 10名以上
② 監 事 2名
2 理事のうち、1人を会長、1人を副会長とする。
3 役員は、総会において選任する。
4 会長、副会長は、理事の互選により定める。
5 監事は、理事又はこの法人の職員を兼ねてはならない。
6 役員のうちにはそれぞれの役員について、その配偶者若しくは三親等以内の親族が1人を越えて含まれ、又は当該役員並びにその配偶者及び三親等以内の親族が役員総数の3分の1を越えて含まれることになってはならない。
(職 務)
第13条 会長は、この法人を代表し、会務を統括する。
2 副会長は、この法人を補佐し、会長に事故があるときまたは会長が欠けたときは、その職務を代行する。
3 理事は、理事会を構成し、会務の執行を決定する。
4 監事は次に掲げる業務を行う。
① 理事の業務執行の状況を監査すること。
② この法人の財産の状況を監査すること。
③ 前二号の規定による監査の結果、この法人の業務又は財産に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見した場合には、これを総会又は所轄庁に報告すること。
④ 前号の報告をするために必要がある場合には、総会を招集すること。
⑤ 理事の業務執行の状況又はこの法人の財産の状況について理事に意見を述べること。
(任 期)
第14条 役員の任期は、2年とする。但し、再任を妨げない。
2 補欠または増員により選任された役員の任期は、前任者又は現任者の残任期間とする。
(欠員補充)
第15条 理事又は監事のうち、その定数の3分の1を越える者が欠けたときは、遅滞なくこれを補充しなければならない。
(解 任)
第16条 役員に、役員としてふさわしくない行為があったときは、総会の議決により解任することが出来る。
(報酬等)
第17条 役員は、その総数の3分の1以下の範囲内で報酬を受けることができる。
2 役員には、その職務を執行するために要した費用を弁償する事ができる。
3 前2項に対し必要な事項は、総会の議決を経て、会長が別に定める。
第4章 総会
(種 別)
第18条 この法人の総会は、通常総会と臨時総会とする。
(構成)
第19条 総会は、正会員をもって構成する。
(権能)
第20条 総会は、次の事項について議決する。
① 定款の変更
② 解散
③ 合併
④ 事業計画及び収支予算並びにその変更
⑤ 事業報告及び収支決算
⑥ 役員の選任又は解任
⑦ この他本会の運営に関する重要な事項
(開 催)
第21条 通常総会は毎年1回、開催する。
2 臨時総会は、理事会が必要と認めたとき、または正会員の4分の1以上から会議の目的たる事項を示して請求があったとき、もしくは監事が第13条第4項第4号の規定により招集したときに、開催する。
(招 集)
第22条 会議は会長が招集する。但し前条第2項後段の規定による場合は、監事が招集する。
2 総会を招集するには、会員に対し会議の目的たる事項及びその内容並びに日時及び場所を示して、開会の日の7日前までに文書を持って通知しなければならない。
(議 長)
第23条 総会の議長は、会長または副会長が指名し、承認を得た者が行う。
(定足数)
第24条 会議は、総会においては正会員の過半数の出席がなければ開会することができない。
(議決)
第25条 総会の議事は、この規約に別に規定するものの他、出席正会員の過半数の同意をもって決し、可否同数の時は、議長の決するところによる。この場合において、議長は、正会員として議決に加わる権利を有しない。
(書面表決等)
第26条 やむを得ない理由のため会議に出席できない正会員は、あらかじめ通知された事項について、書面若しくは電磁的方法をもって表決し、又は他の正会員を代理人として表決を委任することが出来る。この場合において、第24条、第25条、第27条第1項第3号、第42条及び第43条の規定の適用については総会に出席したものとみなす。
(議事録)
第27条 会議の議事については、次の事項を記載した議事録を作成しなければならない。
① 会議の日時及び場所
② 正会員又は理事の現在数
③ 出席した正会員の数(書面及び電磁的方法による表決者並びに表決委任者を含む。)
④ 議決事項
⑤ 議事録署名人の選任に関する事項
2 議事録には、議長及び出席した正会員又は理事の中からその会議において選出された議事録署名人2名以上が署名しなければならない。
第5章 理事会
(構 成)
第28条 理事会は理事をもって構成する。
(権 能)
第29条 理事会は、この定款で別に定めるもののほか、次に掲げる事項を決議する。
① 総会に付議するべき事項
② 総会の決議した事項の執行に関する事項
③ その他総会の議決を要しない業務の執行に関する事項
(開 催)
第30条 理事会は会長が必要と認めたとき、または理事の過半数から会議の目的たる事項を示し請求があったとき開催する。
(議 長)
第31条 理事会の議長は会長が当たる。
(議決等)
第32条 この法人の業務は、理事の過半数をもって決する。
第6章 資産・会計及び事業計画
(資 産)
第33条 この法人の資産は、次の各号に掲げるものを持って構成する。
① 財産目録に記載された財産
② 会費
③ 寄付金品
④ 事業に伴う収入
⑤ 資産から生ずる収入
⑥ その他の収入
(資産の管理)
第34条 資産は、会長が管理する。
(経費の支弁)
第35条 本会の経費は、資産をもって支弁する。
(事業計画及び予算)
第36条 この法人の事業計画及び予算は、総会の承認を得なければならない。これを変更する場も同様とする。
(予備費の設定)
第37条 前条に規定する予算には、予算超過又は予算外の支出に充てるため、予備費を設けることができる。
(事業報告書及び決算)
第38条 事業報告書、財産目録、貸借対照表、収支計算書は、監事の監査を経て、総会の承認を得なければならない。
(事業年度)
第39条 本会の事業年度は毎年10月1日に始まり、翌年9月30日に終る。
第7章 事務局
(設 置)
第40条 この法人の事務を処理するため、事務局を置く。
2 事務局には、事務局長その他の職員を置く。
3 事務局職員は、会長が任免する。
(書類及び帳簿の備置き)
第41条 主たる事務所には特定非営利活動促進法第28条に規定される書類のほか、次に掲げる書類を常に備えておかなければならない。
① 会員名簿及び会員の異動に関する書類
② 収入、支出に関する帳簿及び証拠書類
第8章 規約の変更及び解散
(定款の変更)
第42条 この定款の変更は、総会において総正会員の過半数が出席し、その出席者の4分の3以上の議決を経なければならない。
(解散)
第43条 この法人は、次に掲げる事由によって解散する。
① 総会の決議
② 目的とする特定非営利活動に係る事業の成功の不能
③ 正会員の欠亡
④ 合併
⑤ 破産
⑥ 所轄庁による認証の取消し
2 総会の議決により解散する場合、総正会員の4分の3以上の同意を得なければならない。
第9章 雑則
(公告)
第44条 この法人の公告は官報により行う。ただし、特定非営利活動促進法第28条の2第1項に規定する貸借対照表の公告については、この法人のホームページに掲載して行う。
(委任)
第45条 この定款の施行について必要な事項は、定款で定めるほか総会の議決を経て会長が別に定める。
付則
1 この定款は、この法人の成立の日から施行する。
2 この法人の設立当初の会費は、第8条の規定にかかわらず、次の各号に掲げるものとする。
① 正会員
年会費 3,000円
② 特別会員
年会費 100,000円
3 この法人の設立当初の役員は12条第3項及び第4項の規定にかかわらず、次に掲げるとおりとし、その任期は、第14条第1項の規定にかかわらず、平成12年1月31日までとする。
① 会 長
氏 名 亀崎直樹
② 副会長
氏 名 菅沼弘行
③ 理 事
氏 名 鮫島正道
氏 名 大牟田一美
氏 名 黒柳賢治
氏 名 後藤清
氏 名 宮脇逸朗
氏 名 近藤康男
氏 名 加藤弘
氏 名 松沢慶将
氏 名 田中輝彦
氏 名 中島義人
氏 名 平手康市
氏 名 照屋秀司
氏 名 堀越和夫
氏 名 若林郁夫
④ 監 事
氏 名 小林雅人
氏 名 岩瀬文人
4 本会の設立初年度の事業計画及び収支予算は、第36条の規定に関わらず、設立総会の定めるところによる。
5 本会の設立当初の事業年度は、第39条の規定に関わらず、成立の日より、平成11年10月31日までとする。
6 この定款は所轄庁が認証した日から施行する。
この定款は当会の現在の定款に相違ありません。
特定非営利活動法人日本ウミガメ協議会
理事 松沢 慶将
(会長)
松沢 慶将
(副会長)
平手 康市
(理事)
阿部 寧
石原 孝
大野 睦
興 克樹
亀田 和成
河津 勲
斉藤 知己
谷崎 樹生
萩野 進也
前田 一樹
増山 涼子
山本 明男
若月 元樹
若林 郁夫
(監事)
小林 雅人
水野 康次郎
※五十音順・敬称略
平成2年8月 | 日本ウミガメ協議会設立 |
---|---|
平成2年11月 | 第1回日本ウミガメ会議(鹿児島会議)開催 |
平成2年 | 全国のウミガメ産卵頭数の記録と体系的処理開始漂着死亡個体の記録と体系的処理開始、うみがめニュースレターの発行支援開始 |
平成3年 | 統一標識による調査開始 |
平成6年6月 | 『ウミガメは減っているか』発行 |
平成6年11月 | 『日本のウミガメの産卵地』発行 |
平成7年 | 米国ウミガメ会議への参加援助を開始 |
平成10年 | 電子メール・Faxなどを利用したウミガメの最新情報のメーリング開始 |
平成11年7月 | 特定非営利活動法人(NPO法人)として大阪府より認証 |
平成13年4月 | 東京事務所開設及び小笠原海洋センターの運営を開始 |
平成13年7月 | 法人認証官庁を大阪府から内閣府へ変更 |
平成13年11月 | 『日本のアカウミガメの産卵と砂浜環境の現状』発行 |
平成14年4月 | 八重山海中公園研究所の運営を開始 |
平成15年9月 | 『ウミガメは減っているか』改定版(第2版)発行 |
平成16年4月 | 黒島研究所改名式 |
平成24年9月20日 | 『ウミガメの自然史』発行 |
平成30年4月 | むろと廃校水族館を指定管理者として運営開始 |
このサイトは、協議会事務局が運営を行っております。内容も、会長を初め理事や職員の間で十分検討を重ね、公開しております。しかし個々の会員及び関係各位の総意に基づくものではないため、内容に不都合な点がございましても何卒ご容赦下さい。
ご指摘・ご意見がございましたら、協議会事務局(電話:072-864-0335、または電子メール:info@umigame.org)までお寄せ下さい。
このサイトは主に以下のような目的・目標で運営しております。
1.日本ウミガメ協議会の目的や活動の紹介
2.ウミガメに関する情報の収集と公開
3.全国のウミガメに関わる方々の活動紹介を含めた、協力体制の確立
このサイトに掲載されている情報(画像・文面)全てについて、無断転載を禁じます。
このサイトに掲載されている各資料・画像、ウミガメの産卵に関するデータ等は、多くのボランティアの方々による献身的な努力の結晶です。ウミガメの産卵は5月から始まり、その頃から毎日の砂浜歩きが始まります。産卵回数と上陸回数という、たった2つのデータを得るための努力量は膨大なものです。日本ウミガメ協議会には時々、行政機関やマスコミさらにはコンサルタント業者から各地の産卵に関する問い合わせがきます。その都度、そのデータを伝えるべきか否かに悩むのは、そのデータを使用する人間がどれほどそのデータをとった人のことを考えているのかを疑ってしまうからです。まして、その目的も明らかにせず、その数字を拾っただけで「調査」と称し、さらにはそれを生業としているような人間に出くわしたとき、著しい憤りを感じます。長年浜を歩いてきた人を軽視すること甚だしいと言わざるをえません。このサイトの各資料を他で引用・転載したいと希望される方は、日本ウミガメ協議会と情報元である各地の個人・団体への事前連絡はもとより、別に記した形式での引用・転載方法を遵守し、浜を歩いた方の業績を尊重していただくことを強く求めます。