ウミガメの教科書(上級編)
成長
他の多くの動物と同じように、ウミガメも生まれて直ぐは急激に成長しますが、次第に穏やかな成長に変わっていきます。成熟して一旦繁殖を開始するとほとんど成長せずに、繁殖のためにエネルギーをまわすようになります。生まれたばかりの子ガメを飼育して成長を調べてみると、水温を高くするほど餌をよく食べ、早く成長します。条件さえよければ、成熟するまで5-6年ということもあります。しかし、野外では常に餌が豊富にあるとは限りませんし水温も変化しますから、もっとゆっくりと成長することになります。例えば北大西洋のアカウミガメの場合、外洋での生活を終えて沿岸に戻ってくるときには曲甲長で46~64cmになっていますが、この時の年齢は7~12歳で、産卵するようになるのは、ほとんどが25歳以降だと考えられています。