ウミガメの教科書(上級編)
民族学
お墓 | 千葉県、静岡県や和歌山県などの海岸線の集落では、時折、ウミガメのお墓が見られます。昔も、今のように、海岸に死んだウミガメが打ちあがり、それを哀れんだ土地の人がお墓をたてたのです。昔は、今のようにカメの死体が多くなく、珍しかったかもしれません。 |
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神社 | ウミガメの神社として有名なのは、京都府伊根町の浦嶋神社です。ここに伝わる浦嶋伝説は、丹後風土記や日本書紀にもある、由緒あるお話です。神社には、アカウミガメの甲羅も奉納されています。 |
祭り | 徳島県日和佐町の「うみがめ祭り」は地域の自然資源といえるウミガメを有効活用した宣伝といえます。日和佐の「うみがめ祭り」は現代的なお祭りです。日常的にウミガメを食していた社会的慣習が祭り(儀式)の一部に加わった例がウミガメとゆかりのある地域では結構あるのではないかと考えられます。 |
食文化 | ウミガメが産卵する浜がある地域や近海をウミガメが回遊する地域では、ウミガメは食の対象でした。ウミガメや卵を食すことに抵抗を抱く人もいるかも知れません。しかし、近くで獲れる動物を食すということは極々自然な生活スタイルであり、その習慣が定着していればそれは文化となります。各地で育まれてきた文化は守られなければなりません。 |
ウミガメに助けられた人 | 沖縄では祖先がウミガメに助けられた為、その子孫たちはウミガメの肉を食べないという話が多く残っています。それぞれが、遭難場所やウミガメに助けられて連れられた場所など具体的に伝承されています。また、琉球王国の正史である『球陽』には明の皇帝が即位したことを祝うために派遣した慶賀使の船が沈没した際、通訳として乗っていた蔡譲(さいじょう)という人がウミガメに助けられたという話が記載されています。 |